2,3月は新年度の仕事や学校に合わせ、住宅の引渡しも多く忙しい時期。
不動産会社や施工会社など売主側企業も、決算前の売り上げを見込んでおり、建物の完成・引き渡しを3月までに間に合わせるため、工事を急ピッチで進めています。
そのため、工事にまつわるトラブルに巻き込まれた契約者は毎年後を絶ちません。
スケジュールが遅れれば、引っ越しが伸び、住民票の移転遅れや思わぬ出費につながることもあります。
今回は、実際にあった不具合をホームインスペクター(住宅診断士)がご紹介します。
そもそもなんで遅れがちなの?
そもそもあらかじめ工程が組まれているはずなのに、どうして遅れてしまうのでしょうか?
主な理由はこの4つ。
- 同じ時期の完成を目指す建設工事がたくさん重なり、施工する職人が不足する
- メーカーなどに注文が重なり品物の納品が遅れる
- 雪などの天候不良で屋外の工事が止まる
- 建材などの工場が大雪の影響で生産停止になったり輸送が困難になったりする
毎年のことなので施工会社からすればいずれも可能性は予想できるのですが、必ずしも起きるとは限らないことから、一般的に工事工程を組み立てるときにはあまり考慮されません。
床下に水たまり!?実際のトラブル事例1
システムキッチンの工場が大雪で屋根が潰れて操業停止になり、キッチンの取り付け時期が大幅にずれこんだが、何とか3月末までに建物が完成。
しかし、引っ越し後しばらくした頃に異臭に気付き、ホームインスペクション(住宅診断)を行ったところ、キッチン床下の排水管が接続されていないことが発覚。入居してまだ間もないのに、床下には水溜りが!
その原因は配管工事の施工不良。
システムキッチンの納品が遅れたため、キッチン取り付けに付随する数種類の工事が後回しになっていたそう。
改めて点検したところ、キッチン以外の配管類に問題はなく、この部分の配管工事だけ後から急いで行ったため雑に行われていたのです。
抜け目のない対策を打とう
- 後回しになった工事はそこだけ再検査してもらおう
特定部分の工事だけが後回しになったときは、施工会社が他の部分だけ社内検査を済ませていて、その部分だけ検査していないケースもあります。一部の工事が後回しになった場合などは、引き渡し前にその部分を改めて検査するよう施工会社に依頼し、契約者ご自身でもチェックしておくことをおすすめします。
- 床下や屋根裏など見えない箇所もしっかりチェック
内覧会では通常、床下や屋根裏(小屋裏)といった生活する上で直接見ない箇所のチェックまで、施工会社は契約者へ促しません。ところが、見えないがゆえに不具合が長期間放置されやすいものなのです。
屋根裏や床下は構造が確認できる貴重な場所なので、ぜひチェックしたいものですが一般の方が中に入って細かくチェックするのはなかなか現実的ではありません。
- 内覧会でホームインスペクションを頼もう
この方の場合、今回のトラブルで仕事を休み工事に立会うことになりました。異臭除去を含む数日にわたる作業で家財が埃などで汚れないか、内装に傷がつけられないか心配になったそうです。このようなことにならないよう、できるだけ内覧会(竣工検査)のタイミングで、ホームインスペクターなどの建物のプロにチェックを依頼しておきたいものです。
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